1巻<スワン家のほうへⅠ>pp191-230.
今日の箇所は濃密でした。
まず、読書の楽しみについて。
この部分は難しく理解しきれていないような気もしますが…
人間の感動において大事な要素はイメージであり、現実の人間を抹消して単純化し時間を濃縮した小説を読むことで、現実よりも明確に幸福や不幸を体験できる…というようなことかなと。
違うかも…でも、私そういうふうに理解しました。
この部分では、知覚についての記述も目を引きます。
例えば、人が対象と向き合うとき、対象に精神の縁飾りをかぶせるため、決して直に対象に触れることはできないとう考え。
それから、読書に夢中になっているときは、時刻を知らせる鐘(の音)は耳の錯覚で消し去られているといった表現。
これらから、プルーストが、個人の内面の枠組み(を豊かにすること)にとても関心のある人なのではないかということも感じ取られます。
続いて、ベルゴット登場。
主人公がベルゴットを崇拝していたというのは、何となく覚えていました。好きな作家が自分の考えていたようなことを表現していると嬉しいし、そういう記述に出会えたときに心が震える感じがするのは何となく分かります。
主人公にベルゴットを薦めたブロックについては完全に忘れていたけれど、今で言う中二病っぽい感じかなと(笑)あと、主人公は年齢に比してかなり知性が高そうなのに、何でもかんでも(ブロックがした下世話な話とか)親に話しちゃうところは、ちょっと子どもっぽいですよね。
ここで、最重要人物の1人、スワン嬢登場。
ベルゴットを直に知っている人として導入されたのは、忘れていました。
出会う前からもう好きみたいな感じの主人公が、ちょっと可愛いです。
人は人を愛するとその人の参与する生活に自分も参入できると想いこむ、といった記述があって、少しだけ思い当たることがありました。
今日は、以上です。