2巻<スワン家のほうへⅡ>pp73-99.
今日は少し眠い中で読みました。
ヴァントゥイユ氏のソナタの美しさが、コタール夫妻には捉えられない話。
平凡な人は月並みな芸術表現を型にしてしか美を把握できない一方、独創的な芸術家はそうした型を外して表現を作る、だから平凡な人にはその中にある美を捉えることができないといったことだと思います。
ここは、ちょっと、作者の(語り手の?)審美眼に関する上から目線を感じました。でも、言っていることは、何となく分かるような気がします。
続いて、スワンが共和国大統領と食事を共にする仲と知った後のコタール氏の反応は、ちょっと面白かったです。
コタール氏の単純さは、面白おかしく描かれていますよね。いいキャラしているかも?
その後、ヴァントゥイユの小楽節を愛の国歌として、スワンとオデットの関係が進んでいく様子が描かれています。
スワンにとっては、同小楽節に二人とは無関係の、それ本来の音楽としての価値があることが残念に感じられるというような記述があり、恋心をこんなふうに表現するのはとても斬新で面白いと感じました。
実は、時代背景について勉強不足だからだと思いますが、オデットの顔も、スワンが招待されたオデットの部屋も、いまだにはっきりとイメージできません…。
部屋に関しては、キクとか屏風とか扇子とか、だいぶ日本の文化にかぶれてるんだなってことだけは分かります。よく分からないけれど、そんなに趣味のいい、洗練された感じの取り入れ方ではないように感じました。
オデットのあからさまにあざとい感じは、相変わらずあまり好きになれないですね。
例えば、スワンがシガレット・ケースを忘れていった際、「どうしてこの中にあなたの心も忘れていかなかったのでしょう」みたいな手紙をよこしてましたが、プルーストが記述しているように「率直さ」というか、あんまり教養のない、理性的でない印象を受けてしまいました。
最後に、スワンが、大画家の作品(に描かれた人物)に知り合いの個人的特徴を見出して喜びを感じる癖について、考察がなされていました。
んー、私もそこそこ絵を鑑賞したことがあるけれど、「あの人に似ている」とか思ったことはないような気がします。普段から絵のことばかり考えていたら、そういうのが見えるようになってくるのかな(笑)
今日は以上です。