2巻<スワン家のほうへⅡ>pp152-178.
最近、割と進んで読めている気がします(笑)
今回は、ヴェルデュラン夫人のサロンの人物評的なことが綴られています。
スワンがヴェルデュラン夫妻をよく思っていたのに対して、ヴェルデュラン夫妻の方はスワンのことをそれほどよくは思っていないようです。ヴェルデュラン夫人のような独占欲の強い人間からすると、社交界でのスワンの地位が分かってくるにつれて、面白くなく感じるところが多いにあるのでしょうね。
ブリショという教授のことも初めて紹介されています。
率直に嫌いな感じ(笑)歴史的な話題を大胆不敵に取り扱うことで、「教授でありながら、アカデミックな態度にとらわれていない俺」みたいな感じが鼻につく。それこそ、逆に「大学人の殻」を破り切れていない俗物だから、そんなふるまいになっているような気がします。
スワンもブリショのことは評価していないようです。
フォルシュヴィル伯爵も初めて紹介されていますが、美男子のようですね。
スワンは分かりやすく嫉妬していますが、これからどんなふうに物語(スワンとオデットの恋愛)に絡んでくるのか楽しみです。
それから、スワンが一蹴するコタール夫人のつまらない話の中から、当時どれだけ日本趣味が流行っていたのかがうかがわれます。
月並みだけど、好きな小説の中に日本のことが出てくるのは、少し嬉しいような気もします。
フォルシュヴィル伯爵の悪気のない言葉から、スワンの社交界での交友関係が露呈し、ヴェルデュラン夫人がむっとするところは、石膏の仮面などに喩えられており、完全におちょくったような書き方をされていますね。
対して、スワンの媚びることのない態度は余裕があって、読者としては少しスカッとするところもあります。
プルーストの人物の描き方は、繊細かつ鋭いというかえぐぐ、とても楽しく読めるので大好きです。