2巻<スワン家のほうへⅡ>pp232-257.
今日はお腹が空いていたりしてあまり集中して読めませんでした。
でも、分かるー!!って所が多かったです。恋すると、人って本当に愚かになるよねって。
スワンとオデットの立場は、完全に逆転していますよね。
オデットも、スワンの気持ちが完全に自分のものになっていることを分かって振舞っているような感じです。何か、やっぱり好きになれない女性だなあ…恋愛の駆け引きとしては、これが賢いのだろうか…でも、やっぱりどこか浅いという印象を受けてしまいます。
この頃、オデットは太ってくるなど容姿がやや衰えてきたようですが、かつての姿に美しさを見出していると、変わらない情熱を注げるというスワンの心の動き、個人的に分かります。
まさに枯れてきていても、かつての姿が自分にとって美しかった人って、不思議と愛おしく思えるものという気がするんです。
オデットが出かける所に出かけることをオデットに牽制されたスワンが、鉄道の時刻表を読んで夢想したり、オデットが戻ってきて真夜中に尋ねてきてくれるのではないかと寝ないでいたりするところは、それまでのように笑えるというよりかは切なくなってしまいました。
その後の、「オデットのような美人にパリの街を一人で歩かせるのは、宝石を詰めた小箱を通りの真ん中に放置しておくようなもの」というスワンの思いにはちょっと笑ってしまいましたが、恋するとみんながその人を狙うくらいの価値があるように思い込んでしまうのって、あれは何なんでしょうね…。
オデットの住んでいる通りと同じ名前のレストランに、それを理由に出かけていくスワンも、ちょっと笑える。でも、街中に出ても好きな人に関連するものが目についたりするっていうくらいのことならありますよね。
最後、募る恋心に疲弊しながらも、オデットが完全に手に入ってしまえばその恋心は落ち着くことを分かっていて、同時に恋の病から生還することを死と同じほどに襲えれているスワンの心情、すごい分かるー!!と思いました。誰かをすごく好きになることって、胸がとっても苦しいけれど、それが自分の全てのようになるし、他の何ものにも代えがたいものね…。
スワンが思っているように、恋の病が「治癒することは、現在の自分の全てを抹殺するに等しい」と言えると思います。
人の恋するときの心情を、ここまで実況中継みたいに詳らかに記述できるのは、やっぱりすごいです。