ももてぃの「失われた時を求めて」再読日記

文学に関しては完全な素人です。岩波文庫で読んでいます。一応、1ヶ月1巻ペース

2巻<スワン家のほうへⅡ>pp389-413.

年末で少しバタバタしているなか読んでいます。

 

知りたかったはずのオデットの真実の外縁に触れたことで、スワンにとってある本(?)の一節が現実味を帯びてきます。「女に恋をしたと感じた場合、その周りにどんな人がいるか、どんな人生を送ってきた女かと問うてみるべきだ。人生の幸福はすべてそこに依拠しているのだから」。以前はそれほど関心もなく読んだ一節が、スワンにとって身にしみて分かるものとなっているのでしょうね。

でも、恋心がそんなに冷静さをもって芽生えるものだとしたら、恋愛がそんな冷静さをもって深まっていくものだとしたら、スワンはオデットに恋していなかったと思います。

 

スワンは、自分と出会う前にオデットが過ごした時期の総体は、漠然とした抽象的期間ではなく、具体的な事象を詰め込んだ個別の歳月から成り立っていると悟りますが、これはこの物語の帰結にも通ずる内容のような感じがしました。

漠然とした期間ではないがゆえに、恋すると、相手の過去は知りたいものであると同時に、痛みを伴う予感がするものともなりますよね。

 

その後、スワンが幸福であったとしていた数ヶ月の間にさえ、オデットの嘘が含まれていたと判明したことは、スワンにとって大きなショックだったでしょう。

恋愛において、そういった過去についた嘘の判明は、相手の人格の推察にも動揺を与えかねないと思います。

 

そして、ヴェルデュラン夫妻らとのクルージングの旅から帰ってきたコタール夫人とスワンとの会話で、コタール夫人が言っている内容には、読者としても少し驚きがありました。旅に同行していたオデットが頻繁にスワンの話をすること、それが非常に好意的な内容であることを述べています。

本人に対する態度はかなりひどいもののように思いますが、オデットとしてはスワンに対する純粋な好意があるのでしょうか…。覚えていないこともあり、少し混乱してきました。

 

あまり丁寧には読めませんが、今月中に2巻を読み終えられるように頑張りたいです。