ももてぃの「失われた時を求めて」再読日記

文学に関しては完全な素人です。岩波文庫で読んでいます。一応、1ヶ月1巻ペース

2巻<スワン家のほうへⅡ>pp413-438.

数日前に読んだ箇所になります。

明日は大晦日で用事が目白押しなので、ここから急ピッチで読んで書いてを繰り返していく予定です。何か来年に持ち越したくないんだよなあ…(笑)

 

オデットへの恋を失ったスワンの心情が描かれています。

相手に夢中にならない日がくると考えると、ぞっとして気を緩めまいとする気持ち、分かるなあ。恋しているときの充実した心って何ものにも変え難いし、だんだん、相手というよりは恋する気持ちに依存していくようなところって、あると思います。

ただ、実際に恋心が弱まるといつまでも惚れていたい欲求も同時に弱まるようです…そういうものかな…恋心を抱えると人って別人になるから、それがなくなったらまた別人になるのかもしれないですね。

自分に恋心と嫉妬心を吹き込んだオデットに出会うことはもう二度とないから、まだ存在しているうちに別れを告げたかったと惜しく思うスワンの心情を描いているのは、とても巧みだと思います。

 

その後、スワンが見た夢の描写があり、スワンの出した結論の提示でこのパートは閉じられます。「何年も台なしにしてしまった…気にも入らなければ、俺の好みでもない女だというのに」と。

勝手にこんな結論を出すとはかなりひどい(笑)と思ってしまいましたが、後から冷静な頭で考えると「何でこんな人を好きだったんだっけ」なんてことはありますよね。時間を無駄にしたとまではなかなか思わないけど、スワンの場合はパリから離れられなくなったりもしていたから、他のことを犠牲にした面も大いにあったかもしれないし、それくらい思うのもまあ…って感じでしょうか。

 

その後、また主人公の話(土地の名の一名)に引き戻されます。

あまり読み込む余裕がないのですが、主人公(というか、今更だけど“語り手”って言った方がよさそう)が、その土地の名や断片的な知識から訪れたことのない地を想像していくところが描かれていきます。

事前の豊かな想像に対して現実に幻滅するというのは、この小説で繰り返し描かれていく1つのテーマなのかもしれないと思いました。

 

話が戻りますが、ここからスワンとオデットは結婚して、ジルベルトという子供が産まれるんですよね。ここからどういう流れでそうなるのかが思い出せず、ただただ不思議に思っています。