2巻<スワン家のほうへⅡ>pp438-469.
んー、結構重要な箇所に入ってきたので、焦って読むのはよくないかもしれないですね。今夜もう1回更新したいけれど日をまたぎそうだし、いずれにせよ2巻は少し残ってしまうかも。
しばらく土地の名の話が続きますが、時間もないので感想は割愛。一言だけ書くと、プルーストが、直接知覚で体験することよりも、事前の想像の世界を大切にしていることが伝わってきました(時刻表に昂奮を与えられるというのは、スワンに類似していますね)。
そして、とうとう主人公とジルベルトが、シャンゼリゼという公園で一緒に遊ぶ友達同士になりました。
ジルベルトを好きになり「一日たりといえどもジルベルトに会わずにはいられない気持ち」になり、天候を気にする主人公はとてもいじらしいです。母親の就寝前の接吻を大切にしていたこととかぶりますね。
祖母が夕食の時間に帰ってこないときに、主人公は、祖母が車に轢かれたらしばらくシャンゼリゼにいけなくなってしまうと考えますが、プルーストが書いているように「人は恋をしたとたん、他の人はだれも愛さなくなってしまう」のかもしれませんね。
雪の降る日に雪にもめげず公園に来た主人公とジルベルトの間で、友情が高まったように感じられたことが記述された部分は、文章がみずみずしくとても印象に残りました。
また、主人公がノートのあらゆるページにジルベルトの名前を書くところなんかは、自分もやったなあと懐かしく思い出しました。こういう恋愛の過程を詳らかに描けるのって、本当にすごい。まるで、恋する心を実況中継しているみたいです。その後の夢想の対象であったジルベルトと現実のジルベルトの隔たりの描写なども、言われてみればそういう所があるなと感じたりしました。
そして、有名な瑪瑙玉のシーン。
ジルベルトが主人公に瑪瑙玉をプレゼントしてくれるのですよね。
主人公はジルベルトの目と同じ色の玉を選んだと記述されていますが、瑪瑙玉って複雑な色をしていたり、いろんな色のものがあったりするのでしょうか。
ここの描写もとても印象深かったです。
ところで、この小説の中で主人公の名前が一切明かされないのは、どういう意味をもっているんですかね。そのことも読み進めながら考えてみたいと思います。
んー、やっぱり時間的に年内に2巻読了は厳しい…(涙)