ももてぃの「失われた時を求めて」再読日記

文学に関しては完全な素人です。岩波文庫で読んでいます。一応、1ヶ月1巻ペース

3巻<花咲く乙女たちのかげにⅠ>p126-156.

一昨日読んだ箇所です。

 

主人公の父親は、文学などくだらんと考えているタイプかと思いましたが、ノルポワ氏の影響を受けて、息子の人生についてこれまでの態度を大分緩めたようです。

このくだりで、主人公が自分の人生が既に始まっており、自分が「時間」の中にいることに気づく心情が描かれていますが、こうした恐れの感覚は自分も子供の頃に抱いたような気がします。生まれたときにあった無限の可能性が生きてきた時間の分だけ狭まったように感じたり、人生が有限であることに気づいたり…。

 

その後、ノルポワ氏に料理を褒められたフランソワーズが色々なレストランの評価をする箇所があるのですが、これは実際にお店を知っていたらもっと楽しめる記述だろうなあと思いました。

 

続いて、年始のお出かけの中で主人公がラ・ベルマのブロマイドを買うところがあるのですが、こんなに昔からブロマイドってあったのですね。私も、多分主人公くらいの年齢のときに好きなアイドルの写真を買ったり、ポスターにキスしたりしていました(笑)

 

その後、ジルベルトのイメージに関する主人公の考察はとても興味深いです。愛する人に関しては、目の前にすると心が揺さぶられ色々な感情が沸き起こるがゆえに注意力が乱され、明確なイメージを掴むことができなくなるというのです。確かに、強い感情を抱いている相手のことを冷徹な目で観察しその結果を頭の中にとどめるって、およそ不可能なことのように思えますよね。それを、「ピンぼけの写真しか撮れない」と表現するのは巧みだなあと思います。

 

それにしても、主人公に直接、「パパとママは、あなたが好きじゃないの!」と言ってしまうジルベルト、残酷だなあと思いました。

主人公はスワン宛に長い手紙をしたためたものの功を奏さず。これは、スワンと主人公一家が疎遠になっていたことと関係していると考えていいんですよね?それとも、娘のことが好きそうだから警戒されているだけ?

 

なかなか苦しい初恋が描かれていますね。