ももてぃの「失われた時を求めて」再読日記

文学に関しては完全な素人です。岩波文庫で読んでいます。一応、1ヶ月1巻ペース

3巻<花咲く乙女たちのかげにⅠ>p277-308.

今月はいいペースできている気がします。

4巻が比較的長いようなので、今月中に4巻を読み始めてもよいのかなと思います。

 

ベルゴットに関する考察に付随して、プルーストの芸術家観が伝わってくる所もあり、難解ですが興味深いですね。今回の箇所では、天才とは映し出す能力にあるということが書かれたりしていました。

 

ベルゴットが、天賦の才が自身にあることを承知していながら、アカデミー会員になるのなんかを狙って奔走していたとう部分の考察も興味深いです。

尊い芸術の才能があってそれを本人が自負していても、俗っぽい野心をもつこととそれは両立しない訳ではないし、だからといって、その才能が作品を作り上げることをそれが妨げる訳ではないということですかね。

太宰治とかもそんなところがあったという話を聞いたことがあるのですが…。これだけ後世にも残る、誰もが認める普遍的な作品を書いた作家でも、その才能に比べればとるにたらない名誉を欲しがったりするというのは、人間の性なのかなあ。

 

ベルゴットと主人公がラ・ベルマの演劇について話し合っている所は、また読み飛ばしてしまったのですが、その後の考察部分は興味深いです。

力強い考えはというものは、相手を黙らせて二の句をつげなくさせることはせず、相手の考えの中に取り込まれて力を発揮していくという感じでしょうか。ここでは、ベルゴットの議論がそのような力をもつもので、ノルポワ氏のものは空理空論と落とされています。

ノルポワ氏については、その後の部分で、ベルゴットにもスワン家にも全くよく思われていないことが伝わってきますね。

 

それにしても、憧れの作家と話す機会をもてるというのは、すごいことですよね。

私も10代の頃は、サリンジャーと話してみたいなんて思っていました。