ももてぃの「失われた時を求めて」再読日記

文学に関しては完全な素人です。岩波文庫で読んでいます。一応、1ヶ月1巻ペース

3巻<花咲く乙女たちのかげにⅠ>p338-368.

かなり前に読んだ箇所の記録です。

 

プルースト恋愛論にハマっている私です。

恋愛では獲得できたものが常にそれ以上のものを欲する新たな出発点になるため、恋愛に平静などありえないというのは、なるほどと思いました。恋愛感情が高まっている間は、そうなのかもしれません。

プルーストは、恋愛とは基本的に苦しいものと考えているように感じます。

例えば、恋愛の中には絶えず苦しみがあって、その苦しみを歓びで中和して顕在化しないようにしているにすぎないといった内容の記述もありました。

こうした恋愛観には、プルーストが同性愛だったことも関係しているのかもしれません。

 

さて、主人公の初恋はなかなか苦しい展開になっていきます。

プルーストの書き方って、肝心な局面でよく分からない感じがすることも多い(だいぶ後の記述で判明することもある)のですが、ジルベルトが不機嫌になって主人公と仲違いすることになる展開は、今の所よく分かりません。一読者としては、それほどのことか?っていう感じです。

それに対して、仲違いがこじれていく中での主人公の心の動きは精緻に描かれており、心の中でジルベルトの重要性を冷静なものにして色々なジャッジをしようとしているところなど、相手を欲するがあまりの必死さが見事に描かれているなと思いました。

この主人公の初恋は、スワンの大恋愛ともかぶるところがあり、ジルベルトが仲直りしようとしてきた場合に巧妙にやり返そうと考え込んでいるあたりなど、スワンと話が合いそうだなあと思ってしまいました。

 

あとは、オデットのサロンの描写もありました。

割とリラックスしたムードのサロンだったのでしょうか。

 

今月中に4巻も読み始めようと思っているので、あまりサボらないようにしないとです。