ももてぃの「失われた時を求めて」再読日記

文学に関しては完全な素人です。岩波文庫で読んでいます。一応、1ヶ月1巻ペース

4巻<花咲く乙女たちのかげにⅡ>p302-332.

今日の箇所は、サン=ルーの恋愛についての考察が中心で、かなり見所もありました。

 

まずは、ブロック父子との交流の場面からです。

ブロック氏がルーベンスの作品と紹介するのは、おそらく偽物なんでしょうね。

署名があるのかと馬鹿正直に訊ねるサン=ルーは、何かお坊ちゃんだなあと思いました。

そのあと、ブロックがサン=ルーの叔父であるシャルリュス氏のことをひどい言葉でけなしたのは、ちょっと意味が分かりませんでした。激怒かつ絶交されて当然くらいの、普通にひどい言動だと思います。

 

続いて、サン=ルーの恋愛に付随する考察です。

プルーストは、女性と付き合うことで男性は変わる、女性から学び取るものがあるということを、繰り返し記述してきているので、そういう印象をもっていたのでしょう。ここではストレートにそのことが書かれています。

女性には男性よりも感受性が豊かで繊細な配慮を要することに関心を寄せるため、そういったところから私利私欲を離れた交友の大切さなどを学べるというのです。

…男性視点で恋愛から学び取るものを考えたことはなかったけれど、どうなんですかね。元々そういう繊細な配慮のできる男性もいるんじゃないかなあとも思うのですが。

 

ただし、今のサン=ルーの恋愛事情はかなり苦しいものとなっているようで、愛人からかなりすげなくされているようです(ところで、サン=ルーは結婚している訳ではないから、この「愛人」という訳にはやや違和感を覚えます)。

この愛人は、サン=ルー自身が「美人じゃない」と言っていることから容姿が飛び抜けている訳でもなさそうであるうえ、サン=ルーに対する言動から性格もそれほどよさそうでなく、立場も自称女優みたいな感じに過ぎないのに、サン=ルーのように優しく知性の高いお坊ちゃんを夢中にさせられているって、どんだけラッキーなんだと思ってしまいますが…。

 

そのあとの、主人公が1人で色んな女性を眺めている場面は、ちょっと退屈な感じだったので割愛します(笑)

 

今日は以上です。

サボったときが長すぎたせいか、ぎりぎり今月中に読み終わらなさそう(涙)