4巻<花咲く乙女たちのかげにⅡ>p452-482.
ザ・停滞期。
何度も何度も止まりながら読んでいます。
なんだかんだ、恋愛が進む部分が面白いのかなあ…。
主人公は、エルスチールと早く散歩に出たくてしょうがないのですが(例の娘たちを紹介してもらうため)、エルスチールが最後の一筆を入れた花の画に興味があるふりをします。
主人公には、美徳からではなく自尊心のためにこうした行動をとる性質があるそうです。
実際には、エルスチールは娘たちと話してはいたものの、離れたところにいた主人公を紹介することはしませんでした。
これに対して主人公が「あのお嬢さんたちと知り合いになれたら嬉しかったんですが」と率直に伝えたのは、結構大胆だなと思いました。繊細なのにちょくちょく大胆なんですよね。
エルスチールが「近づきになった記念に」と小さなエスキスを渡そうとするところは、私だったら大感激するなあと思いました。それに対して、主人公は「望みのものを与えてくれない人も、別のものなら与えてくれるのである」と、随分失礼な思いを抱いています(笑)
さらに、ミス・サクリパンの肖像画の写真が欲しいと言ったり、そのモデルがスワン夫人なのではないかと訊いたり、かなり図々しい行動に出ています。自分が画家の立場だったら、何このガキって思いますね。
そして、主人公の質問から、エルスチールは、ヴェルデュラン夫妻からムッシュー・ビッシュというあだ名で呼ばれていた人物だということが分かります。
ここでさらに、主人公は落胆の顔をするという失礼を働くのですが(笑)、それに対するエルスチールの態度は、とても理性的で感心しました。
まだ若い主人公に対して、まずはありとあらゆる滑稽な人にならなければ最終的に賢人になどなることはできないということ、駆け出しのころの自分のすがたなどは不愉快なものであっても生きてきた証であり否定してはいけないということなどを説くのです。
とても父性がある人だなと感じました。
主人公の包み隠すことをしないところには、たまにイラっとするなあ(笑)
その後、サン=ルーの出発の場面が描かれています。
ブロックが迷惑がられている様子は、ちょっと面白かったです。
今日は以上です。
挫折しないように頑張ります。