1巻<スワン家のほうへⅠ>pp25-66.
久々に文学に触れ、最初は少し難しく感じました。
眠りについての記述から始まるのですよね。
眠りに関する恐怖に近い不安ともいうか。
正直よく理解できない所もありましたが……
最近自分が引っ越したばかりのときに、目覚めの間際、前の部屋にいるような身体感覚があり、目覚めに近づいたときにはっとした感覚を思い出したり…そうした感覚を繊細に文章に表せるのは凄いと思いました。
全ての描写が優れている作品だけれど、それにしても、人物描写の秀逸さが最初からバシバシ感じられました。特に、スワンの二面性(多面性)と主人公周辺の人々の視線に関する記述は、とても興味深かったです。人が住んでいる所や職業(身分)で相手を評価しがちな性質というのは、今も昔も変わらないのだなと思ったり。
中でも、人に相対しているときに触れているのは、相手に関する知識であるというような記述が、目から鱗でした。人ってものすごく複雑で色々な面をもっているから、全てを把握することは不可能…もっと言えば、相手を理解したいように理解するのが人間なのかなと思います。
楽しい文学の旅が始まりました。