ももてぃの「失われた時を求めて」再読日記

文学に関しては完全な素人です。岩波文庫で読んでいます。一応、1ヶ月1巻ペース

1巻<スワン家のほうへⅠ>pp270-310.

今日の箇所は、色々な話題があり、とても楽しかったです。

 

ルグランタン氏が、主人公を二人きりの夕食に招待した理由が気になります(忘れている)。大人の男性が少年と2人きりで夕食をとりたがるって、ちょっと危険な香りがするのですが。

ルグランタン氏のスノビズム(っぽい行動)について、主人公は大分えぐってるなあという印象…感受性や想像力の豊かな人って、相手自身が意識できていない都合の悪い部分について、そうやって思考を巡らせる力が強かったりしますよね。

ルグランタン氏が主人公たちを妹に紹介したがらない理由が明確には分かりませんでしたが(妹が公爵夫人になっているからなのかな?)、ここまでまどろっこしい受け答えをされたら、私が主人公の父の立場だったら「質問に答えてくれませんか?」って言いたくなるだろうなともいました。

 

次いで、この物語の最重要事項とも言える、“スワン家の方”と“ゲルマンとの方”についての記述が出てきました。

この2つは、抽象的な概念と言ってもよく、物理的な隔たりというよりは、精神的な隔たりが重要な意味をもっているのですよね。

この点は、最終巻まで強く響いてくる設定だったと記憶しています。

 

続く、サンザシについての記述はとても美しく、うっとりしながら読んでいました。

例えば、サンザシの花が着飾ってめいめいが雄しべの花束を手にしている、といった記述とか。主人公がサンザシの花のが咲いている様子から深く感じ取ろうとするとき、それをリズムやメロディーにたとえているのも、巧みだなあと思いました。

細部においても、こうやって集中力の高い、濃密な、最大限の表現がなされているのが、やっぱりこの作品の凄さなのではないかと感じたりします(多分、挫折しやすい原因もそこだと思うけれど)。

ところで、この作品では植物が重要なモチーフとしてあちこちに出てきますが、カラー写真が別売りでいいからあったらなあと思いました。サンザシは記述からある程度想像もできたけれど、例えば、リラは「モーヴ色」も分からず、調べないといけなかったので。

 

そして、とうとうジルベルト登場!

まだ、主人公と言葉を交わしている訳ではありません。

 

色々かわいいお花の咲いているスワン家のお庭に行ってみたいと思いました。