1巻<スワン家のほうへⅠ>pp370-396. 1巻読了
歯の痛みはおさまりました。
11月中に読み終えられるか不安になったので、昨日の深夜に読みました。
以下、その記録です。
主人公が、ゲルマント公爵夫人を初めて目撃します。
実物を見てひどくがっかりした後に、また恋慕の感情に浮上するところは、子供らしくて少し面白く感じました。
ゲルマント公爵夫人のまなざしが自分に止まったことで、まるで自分が特別に思われているように感じている主人公、いつの時代も人の恋心って変わらないのだなあと思います。
ゲルマント公爵夫人は、この後も登場すると記憶しています。
続いて、既にこの頃の主人公が、小説の主題となるものを探し求め、苦悩までしていることが記述されています。
当時の主人公が書いて満足の得られた文章がそのまま載せられていますが、子供でこれはさすがに文才ありすぎです(笑)実際、30代のときのプルースト自身の文章にちょっと手を入れたものみたいですし。
でも、何かに感動したり美しいと感じたりしたときに、その“感じ”を文章に写し取れたと感じたときの満足感、自分の経験からも分かるような気がします。恋してる相手の「どこが好きなの?」に対して答えをみつけたときの感覚に似ていると思う。
最後に、“メゼグリーズのほう”と“ゲルマントのほう”の、主人公の知的人生における重要性が記述されています。
両者で主人公が体験したことが、その後の生活で色々なことを感じ取る原型になったということかなと思います。ありきたりな言葉で言えば、両者での体験は、主人公にとってかけがえのないものであり続けたのでしょう。
そして、現在の主人公が目覚めていくところで、1巻が終わります。
次に、1巻では周囲に不評であったことだけがことさら記述されている、スワンの恋が描かれていくことが予告されています。
12月から2巻を読みます。