2巻<スワン家のほうへⅡ>pp179-205.
スワンは沼にハマりましたね(笑)
フォルシュヴィルの登場によって、嫉妬をかき立てられるようになったことは、確実にスワンの恋心の燃料になっているように感じます。
飽きられるのを恐れて会わないようにしている昼間にもプレゼントを買って送ったり、借金の返済をする等の経済的な援助をするなど(例として出てる250万って凄くないですか?)、スワン氏、完全にオデットのATMになってないか?と感じてしまいます。
ただ、そうやって貢ぐことで安定的に意中の女性と繋がれるというか、それで精神的に安定できる男性の気持ちも、理解できなくはない…。それができるスワン氏の財力もすごいですし。
スワンのオデットに関するイメージの中に、ギュスターヴ・モローの作品が出てきて、少し嬉しかったです。関係ないけど、「まぼろし」ってルーヴルにあるんですね、図にあって気づきました。何となく、ギュスターヴ・モロー美術館で観た記憶になっていたので(汗)
恋して相手に夢中になると、相手を想う気持ちがペットのように常に自分と共にある感じ、とても共感できました。ここは、ちょっとスワンが可愛いと思いましたね(いい年したおじさんなのかもしれないけど)。
また、恋して傷つきやすくなっているスワンにとって、嫉妬に襲われないようオデットが守ってくれることが、最高の喜びになるというのも分かる気がする…。恋をすると、心が最強になるけれど、肝心の相手に関することでは本当に傷つきやすくなるんですよね。
最後に、オデットの嘘にスワンが気づく場面がありますが、まあ、読者はそんな女だと気づいていましたよね。スワンも、深く考えることを止めていただけで、薄々分かっていたのかなと思いますし。
普段は個人の事実なんてどうでもいいことなんだけれど、恋するとその相手の一挙手一投足が非常に重みをもって、真実の探求に情熱を注ぐようになるというのも、そうだなあと思いました。そういうときの情熱って、なかなか恋愛以外では沸き起こらないですよね。
何か、今日は親近感を覚えるような記述が多かったですね(笑)
オデットは相変わらず好きになれないけれど、なんだかんだスワンは応援したくなってきました。教養があり知性のある人物が恋してるときって、いい意味で面白く可愛い感じがします。