ももてぃの「失われた時を求めて」再読日記

文学に関しては完全な素人です。岩波文庫で読んでいます。一応、1ヶ月1巻ペース

4巻<花咲く乙女たちのかげにⅡ>p177-208.

とりあえず、今読んだのはここまでです。

 

今回印象に残ったのは、主人公と祖母とのやりとり。

祖母がいなければ生きていけないという主人公、祖母が亡くなってしまったらということを暗に考える二人…そして、祖母の心を想い、愛している人が亡くなっても、変わらず愛するが穏やかに過ごしていけるだろうと伝える主人公…。

何かとても優しいやりとりだなあと思いました。

やはり、この祖母の性格は、神経症っぽい主人公とはとても相性がよい気がします。

 

そのほか、思春期についての考察も興味深かったです。

思春期こそ、ばかげたことをやるが、人が何かを学びとったと言える唯一の時期だそうです。

そういうこととは少し違うかもしれないけれど、思春期に気に入っていたもの(音楽や文学)って、その人にとって一生特別なものであり続ける気がします。大人になるとこういうものがいいものみたいなのをより分かってくるけれど、そういうものとは違って何歳になっても感覚的に響いてくるものがあるというか。

私の場合、小沢健二さんの曲とかはそんな感じかもしれません。

 

そして、ここでやっと重要なエピソードが出てきました。

サン=ルー侯爵の登場です。長身の伊達男のようですね。

ヴィルパリジ夫人の甥(姪の息子)だったことは、すっかり忘れていました。

これから主人公との交遊が始まりそうで、楽しみです。

4巻<花咲く乙女たちのかげにⅡ>p147-177.

たまっていた記録をつけてしまおうと思います。

 

主人公はヴィルパリジ夫人と馬車で散策に出たりしています。

通りすがりの娘たちに心惹かれがちな所は、ものすごく性の部分が目覚めてきた感じですね。

 

あとは、リンゴの一枝についての描写が印象的でした。

主人公は植物に心惹かれるところがあり、その周辺の描写は一際繊細だなと感じます。

 

やっぱりここもまだそんなに重要ではないかなあという感じで、少し読み飛ばしぎみになってしまいました。

 

4巻<花咲く乙女たちのかげにⅡ>p116-147.

大分長い間、記録を怠っていました。

 

相変わらず豪華ホテルでの日々が描かれています。

フランソワーズが色んな人と仲良くなっている様子は面白かったり。

それから、ヴィルパリジ夫人との交流も始まりました。

 

注目すべきところとして、主人公の父親の職業が明かされます。

官房長とのことです。偉い役人ってことですよね。

現代の日本で生活していると、ヴィルパリジ夫人のような貴族と主人公一家のようなブルジョワとの微妙な関係性(緊張感)っていうのは、どうしても感覚的に掴みづらいところがあるような気がします。

 

全体的には、さほど重要でないエピソードが続いているかなという感じです。

4巻<花咲く乙女たちのかげにⅡ>p85-116.

ちょっとまだ不調ですね。

 

主人公が祖母と宿泊している「豪華ホテル」の客の描写が中心でした。

主人公はまだ他の客と交流できていませんが、ヴィルパリジ公爵夫人の登場で光明が差し込んできた感じですかね。

 

たまに「ここいる?」みたいに思うところがあるけど、今のところはそんな感じです。

4巻<花咲く乙女たちのかげにⅡ>p55-85.

ちょっと精神的に不調なのか、全く集中できず…。

 

主人公バルベックに到着しました。ホテルに泊まっています。

新しい土地で若干不安定になっており(簡単に言うと、変化に弱いところがあるのだと思う)、祖母に甘えています。甘え方が年相応な感じではなく、やっぱり愛着の問題を抱えていそうに思いました。

でも、神経質な主人公とあたたかみのある祖母は、何となく相性がいいような気がします。祖母の対応が、柔らかくてとたも優しく感じました。

 

今日は、簡単な記録になります。

以上です。

4巻<花咲く乙女たちのかげにⅡ>p25-55.

ちょっと休んでました。

昨日やっと4巻を読み始めました。

 

4巻は、主人公のジルベルトへの恋心はほぼ冷め切り、祖母とバルベックに向かう所で始まります。

 

主人公はまた母親との別離にひどく感傷的になっていますが、結構いい年齢のような気がするんですけどね。愛着の問題でもあるのかなあと感じます。

 

あと、セヴィニエ夫人って有名ですか?ドストエフスキーとかショパンくらい当たり前な感じで出てきていますが、私は読んだことありません。当時の作家というわけでもないようですし…。

 

この作品ではところどころでプルーストの芸術観が垣間みえて興味深いのですが、プルーストは、芸術作品の周囲に同時代の物を配置するという展示のあり方には否定的で、そうした展示が芸術作品の本質的なものを抹殺してしまうと考えていたようです。

どうですかね…芸術作品は、当然その芸術家の生きてきた社会を反映するものだと思いますが、純粋に芸術家個人の精神性から生み出される部分もあるとは思います。

こういうのって、美術館に行くとき、事前に関連知識を得たり音声ガイダンスを聞いたりしながら観る派の人と、何にも知識を入れず自由に感じるままに観たい派の人との対立に似ている気がします。自分は、知識を入れたうえで自由に感じて観たいという欲張り派です(笑)

 

アルベルチーヌとの恋や、エルスチールとの出会いの予告的記述もあり、これからの展開が楽しみです。

それにしても、4巻は分厚すぎる!

3巻<花咲く乙女たちのかげにⅠ>p428-457.読了

今日はコーヒーを切らしてしまって、凄く眠い頭で読みました。

 

プルーストは、幸福はもはや無関心になったときになって初めて転がり込んでくるということを、言葉を変えて何度も書いていますね。

 

ジルベルトへの恋心は収束に至っていく雰囲気を帯び始めます。

色々な考察が添えられていましたが、難解で眠い頭にはあまり入ってこず…いつか読み返したいと思います。

 

スワン夫人に関する描写の箇所に、ラファエル前派が出てきます。

註に、プルーストラスキンを通じてラファエル前派に親しんだと書いてあり、ラファエル前派大好きな自分としては嬉しかったです。

いつかイギリスに行ってたくさんの作品を眺めたいと思っています。

 

スワン夫人の属する特殊なポジションに関する記述は、当時のことが分からない自分としては、なるほどと思いました。

裕福な階級の中で、貴族階級ではないものの、それに近づいた階級ということでしょうか。

当時、そういう裕福な人を見るために野次馬が集まる場所があったというのは、とても面白いですね。

 

初恋は主人公にとっては大分苦いものだったと思いますが、最後の一文からも、スワン夫人との交流は少年時代の美しい想い出となっているのかなと感じました。

 

今月は、4巻も読み始めます。