2巻<スワン家のほうへⅡ>pp360-389.
年末は忙しく、今月は2巻を読み終えられるか不安です。
今日記録するのは、数日前に読んだ箇所です。
スワンは、オデットが自分に抱いていた感情はよみがえらないことを理解したとのことですが、オデット自身の心情というか思惑も気になるところです。
ところで、スワンのフェルメール研究って、趣味程度のものなのかと思っていあましたが、かなり本格的なものだったのですね。当初ニコラス・マースの作品とされていた「ディアナとニンフたち」をフェルメールのものと確信し、現地に行って実物を調査したいとまで考えるなんて。
私は、オランダと日本でこの作品を何度か観たことがありますが、一般にフェルメールの作品としてイメージされる風俗画などとは色々異なるものの、色使いやタッチに面影はしっかりあるなあという感じは受けました。フェルメールの作品の中で好きな作品にあげるような1枚ではないけれど、誰のものとされていようが見入ってしまう作品ではあると思います。
悲恋の中にいるスワンは、自身の精神の解放のために(?)オデットの死を望んだり、そんな自分に腹を立ててどんなに苦しくても同情に値しないと考えたり、心の中がかなり忙しく揺れ動いているようです。
オデットの一言で、身体が破裂するのではないかと表現されるほど苦しんだりもしています。…好きな人のたった一言で地の底まで沈むような思いをするというのは分からなくもないだけに、このあたりは読んでいてつらいです。
そんなスワンはオデットの素性に関する匿名の手紙を受け取りますが、まあ、そんな手紙を受け取ったら、スワンのように疑心暗鬼になって周りの人を疑うのは自然なことかもしれません。結局、誰なんでしょう?
オデットには女性も含めて大勢の愛人がいたなどという内容ですが、スワンが問い詰めた際の結果からすると、少なくともある程度は本当なのだろうなと思います。もしかすると、スワン以外の人間(スワンの恋を理解できないでいる周りの人たち)からすれば、問い詰めるまでもないことなのかもしれないですね。
プルーストは、友人にその愛人の過ちを指摘しても信じることはなく、2人を近づける結果にしかならないし、それを信じたとしても、いっそう2人を近づける結果になるだけだということを書いています。
そういうものなのですね。恋愛って理不尽で深いなあ…。
今日は以上です。
数日前の読書記録になるので、色々間違っていたらすみません。